ねこのおしごと

いつでも自由気ままに生きていく

ねこのおしごと

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優しい老猫フサボン 命が消える瞬間に立ち会う 今までありがとう

雑談:涙の数は思い出の数

どんなにタオルを濡らしても

どんなに目が痛くなっても

どんなに鼻水が出ても

涙が止まらない。

 

声を殺してひたすら

泣き続ける。

 

流れる涙一滴は一つの思い出。

 

15年分の涙を流そう。

 

君と過ごした日々を振り返りつつ

決して枯れる事の無い涙を。

君との出会い

15年前君はペットショップに居たね。

 

ただペット用品を買いに

来ただけなのに、母はショーケースを

眺める。

 

他の猫と違いショーケースの

中には君は居ない。

 

大きくなった猫は広いスペースが

必要だから誰もが触れる

ゲージの中に居たね。

 

声をかけても知らんぷり。

両手を伸ばして寝てたんだよ。

 

母は言う。

 

「この子可愛い。

 連れて帰るか」

 

母の視線の先にはショーケースの

中に真っ白な子猫。

 

母に言う。

 

「そんな簡単に決められないでしょ?」

 

でも、母はどうしても

真っ白な子猫を連れて帰りたいようだ。

 

母に言う。

 

「また今度来た時にまだ居たら

 連れて帰ろう。

 それはきっと縁だから」

 

そう言って君と少しのお別れだったね。

君を連れて帰る

しばらくしてペットショップへ

再び立ち寄る。

 

母はショーケースを探す。

 

でも母のお気に入りの

真っ白な子猫は居ない。

 

母に言う。

 

「縁が無かったって事だよ」

 

母は君を見て言う。

 

「おーい、おまえ。

 家に来るか?」

 

(じゃー行きますか)

 

そんな風に言ってる様に

君は全身を伸ばして起きたね。

 

そして君は家族になったんだよ。

君は2つの名前を持つ

母は言う。

 

「ムサシなんてどう?」

 

安易すぎる。

なぜならペットショップは

ムサシと言う名のホームセンターの

敷地内にあったのだから。

 

母に言う。

 

「フサフサだからフサボンで

 いいんじゃない?」

 

どっちも譲らない。

 

そして君は2つの名を持つことに

なっちゃったね。

 

でも知ってた?

もう一つの名前があるんだよ。

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MIDNIGHT MAKER MAC

これが本当の名前だってさ。

抱っこが嫌いで噛むのが好き

君はとっても自由な子だったね。

 

こんなにフサフサしているのに

抱っこを嫌がるし。

 

そのフサフサは抱っこする為に

あるんじゃないの?

 

我が家では猫は自由な存在。

決して無理強いはしない。

 

いつも一定の距離を保ちつつ

そばに居てくれたね。

 

君は何でも噛んだよね。

 

最初の餌食となったのは

メモ帳の飾りの木彫りのカルガモ。

 

君のおかげで前の家の

ブラインドはぐちゃぐちゃに

なっちゃったね。

 

アルミだろうと関係ない

噛みっぷりは伝説だよ。

フサボンの好きな事

雪が積もると外に出たよね。

やっぱり寒い地方の血が騒いだの?

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どんなに降ろうが関係ないよね。

君は無敵だったもん。

そのフサフサのしっぽ大好きだったよ。

 

君は良く寝たよね。

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いっつもこんな顔して。

 

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知ってた?

写真撮ってたの。

誰にも優しいフサボン

君はどの猫にも優しく接して

くれたよね。

喧嘩なんてした事あった?

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コテツにいじめられるシグレと

一緒に居てくれたのは君だよね。

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お別れの覚悟

動物病院でもらってきた

4日分の吐き気止め。

 

これで吐き気が収まれば

また流動食で栄養を取れる。

 

もう少し一緒に居られる。

 

もしかしたら元気になるかもしれない。

 

そんな思い叶わず1時間後に

また嘔吐。

 

先生が言うには、吐き気止めでも

吐く様なら点滴が必要。

 

だけど、なんとなくわかる。

感じる。

その時が近いと。

 

もしかしたら点滴で・・・

 

でも本当にそれでいいのか?

 

今離れてしまっていいのか?

 

正解はわからない。

 

診察時間は終わったんだと

自分に言い聞かせて、フサボンと

最後の時を過ごす事にした。

激しい呼吸が・・・

フサボンは横になって目を

開けたまま、ハァハァと

口を開けて激しく呼吸する。

 

上下に胸が動く。

 

苦しいのか?

辛いのか?

 

時々両手両足で何かを

かき分ける様に動かす。

 

心臓に手をやると、ドクドクと

激しく動いてる。

 

急に大きく息を吸いすぅーっと

吐き出す度に呼吸が浅くなる。

 

大きく開いてた口も段々と

閉じていく。

 

ハァーハァーと呼吸が落ち着いてくる。

 

まるで寝ている様に静かに。

大きなひと声

もうフサボンは何処を見ているのか

わからない。

 

ただまっすぐ何かを見ている。

 

そして、大きく息を吸うと

 

「にゃーーーーうぅーーん」

 

と、何かを告げる様に大きく

長い鳴き声。

命が消える

最初はしっぽがすぅーっと伸びる。

 

それからビクビクと全身が震えた。

 

フサボンが呼吸してない・・・

 

舌は力なく垂れ下がる・・・

 

目の表面の張りが無くなる・・・

 

でも心臓と言う臓器だけは

ゆっくり、トクトクと脈打つ・・・

 

トクトク・・・

 

指先に伝わる振動・・・

 

トクトク・・・

 

トクトク・・・

 

ト・ク・・ト・ク・・

 

ト・・・ク・・・

 

・・・

2019年02月20日21時20分

フサボンは死んでしまった・・・

 

吐いた流動食で乱れた毛並みを

念入りに濡れタオルで拭き取り

ドライヤーをかけクシでとかす。

 

開いた口が閉じない・・・

 

開いた目が閉じない・・・

 

バスタオルを敷いた段ボールに

そっと寝かせる。

 

綺麗な姿勢で・・・

 

フサボンへ

呼ぶと来てくれてありがとう。

 

大きな病気もせずありがとう。

 

フサフサで居てくれてありがとう。

 

毎日ご飯を食べてくれてありがとう。

 

ブラッシングさせてくれてありがとう。

 

爪を切らせてくれてありがとう。

 

水を飲んでくれてありがとう。

 

色々噛んでくれてありがとう。

 

新築のドアパッキンボロボロに

してくれてありがとう。

 

羽毛布団の上で寝てくれてありがとう。

 

ご飯の時鳴いてくれてありがとう。

 

雪が好きでありがとう。

 

よく寝てくれてありがとう。

 

頑張ってくれてありがとう。

 

優しくしてくれてありがとう。

 

噛んでくれてありがとう。

 

緊張すると肉球に汗かいてありがとう。

 

高い所が好きでありがとう。

 

変な水の飲み方でありがとう。

 

家族になってくれてありがとう。

 

幸せな時間をありがとう。

 

今まで本当にありがとう。

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読者の皆様へ

きちんと最後に立ち会う事が

できました。

 

あの時間に息を引き取ったのは

フサボンなりの優しさだと思います。

 

 

この後火葬に行ってきます。

 

フサボンを応援してくれて

ありがとうございました。